定時に帰る練習
ずっと、最後まで残る人が偉いと思っていました。 今年から週に二回、定時で帰ると決めました。最初は落ち着かなくて、駅のベンチで十分ほどぼんやりしていました。 今は、夕方の空を見ながら…
ずっと、最後まで残る人が偉いと思っていました。 今年から週に二回、定時で帰ると決めました。最初は落ち着かなくて、駅のベンチで十分ほどぼんやりしていました。 今は、夕方の空を見ながら…
子どもが中学に上がったのをきっかけに、近所のスーパーでパートを始めました。十五年ぶりの仕事で、レジの打ち方を覚えるだけで精一杯でした。 五年たったころ、店長から正社員にならないかと…
大学を中退して、家具職人の工房に弟子入りしました。最初の一年は掃除と道具の手入ればかり。親方は口数が少なくて、何を考えているのかわかりませんでした。 二年目のある日、親方が僕の削っ…
二十二歳から同じ会社で働いてきました。転職なんて自分には関係ないと思っていました。 会社の業績が傾いて、希望退職の募集があったとき、手を挙げたのは自分でも意外でした。家族には反対さ…
会社員をやめてフリーランスのデザイナーになりました。自由になった、というより、全部自分で決めなきゃいけなくなった、という感覚のほうが強いです。 仕事が途切れる不安は、正直ずっとあり…
係長になって、初めて部下ができました。自分がやったほうが早い、と思うことばかりで、任せるということがこんなに難しいとは思いませんでした。 部下が作った資料を、つい全部直してしまった…
本業は事務職です。週末だけ、知り合いのカフェの一角を借りて焼き菓子を売っています。 売れるのは一日二十個くらい。材料費を引いたら、ほとんど手元に残りません。それでも、知らない人が「…
一年の育休から戻った初日、自分の席が別の島に移っていました。仕方のないことだとわかっていても、少し寂しかった。 時短勤務なので、夕方には誰よりも先に帰ります。「お先に失礼します」が…
都内でIT企業に勤めていました。四十歳のとき、地方の農業法人に転職しました。 「田舎でのんびり」なんて言葉とは程遠い毎日です。朝は五時に起きるし、天気に一年の収入が左右される。最初…